摩耶観光ホテル

 

美しい姿は憧れの的
~人々を魅了し続ける「廃墟の女王」~

  見学について

建物内部は見学不可。
外観は摩耶山再生の会主催の「摩耶山・マヤ遺跡ガイドウォーク」で見学可能

> 遺産所在地、アクセス情報はこちら

概要

廃墟ファン憧れの地である摩耶観光ホテル。外観のアール(角が丸められ、円弧状になった状態)が優しい印象を与え、女性的な美しさから「廃墟の女王」とも呼ばれています。
近代化遺産としての価値があることから、地域の宝として保存活用を目指すことが決まりました。保存の決まった建物は綺麗にし過ぎてしまいがちなのですが、摩耶観光ホテルは人々を魅了する廃墟美を残しつつ保存活用をしようと進められています。今後、摩耶観光ホテルじゃ近代化遺産の保存方法の新たなモデルケースとなるかもしれません。

見どころ

マヤカン外観

南側から見た外観はアールがとてもきれいで、どこか女性的な印象を受けます。「廃墟の女王」と呼ばれているのもよくわかります。

額縁の間

額緑の間と呼ばれる部屋。窓の外の緑がカーテンのようでとてもきれいです。昔は浴場として利用されていたので、床下には浴槽が残されています。

余興場

4階にある余興場。中央にある舞台では映画が上映されたこともあったそうです。

余興場

余興場の窓は船をイメージした丸窓やアーチ窓が用いられています。壁や天井にもアール・デコ調の装飾があり、とても凝った造りだったことがわかります。

丸窓

特徴的な丸窓は摩耶観光ホテルのシンボル的存在でもあります。

礼拝堂

3階には壁がアコーデイオン状になっている特徴的な部屋があります。

エントランス

3階のエントランス部分の床は白と赤の市松模様になっています。正面にはとても大きな非常口の看板が設置されています。

ベランダ

テラスからは神戸の街を一望できます。かつてはビヤガーデンとしても用いられ、ここから見る夜景は格別だったそうです。

食堂

3階の広々とした食堂。シャンデリアも綺麗に残されています。摩耶山名物の「まや鍋」が食べられたそうです。

2階洋室

2階には大小さまざまな洋室があります。

逆額縁の間風呂

ホテル内にはお風呂がいくつかあり、その中でも私の一番のお気に入りは船型の浴槽。豆タイルが使用されていてとてもかわいらしい。

【ガイドさんの紹介】

摩耶山再生の会が主催で、摩耶観光ホテルやその周辺をめぐる「摩耶山・マヤ遺跡ガイドウォーク」を開催しています。

詳しくはこちら⇒ 摩耶山・マヤ遺跡ガイドウォーク

マヤカンツアー

歴史を知る

1925(大正14)年に摩耶ケーブルが開業したのをきっかけに、摩耶山中腹には遊園地などが作られました。

そして1930(昭和5)年に摩耶山温泉ホテルが開業。浴場や余興場、食堂などもあり、複合的な施設でした。ホテルと遊園地は神戸の人気スポットとして数多くの人々が訪れたそうです。しかし、1944(昭和19)年には太平洋戦争の影響で摩耶ケーブルが休止し、ホテルも営業停止を余儀なくされました。

その後しばらく廃墟となっていたのですが、ホテル業者に買収され1961(昭和)年36に摩耶観光ホテルとして営業を再開。改修工事も行われ、パーティやビヤガーデンなどを開くレジャーホテルとして再び人気スポットとなりました。ところが1967(昭和42)年に台風被害で営業停止。1970年頃になると学生向けの合宿施設として再利用されるも1993(平成5)年に営業を終了し、その後活用されることはありませんでした。

周辺の情報

摩耶観光ホテル周辺は天上寺跡や摩耶花壇など、マヤ遺跡と呼ばれる面白いスポットがたくさんあります。

所在地

兵庫県神戸市灘区畑原

アクセス

摩耶ケーブル虹の駅が一番近い駅です。
※立入禁止のため遠目から眺めるのみ。

お問い合わせ先

上記施設の見学等の問い合わせは下記まで。 ○〇遺産管理会社 電話:000-0000-0000 E-mail:info@xxxxxxx.com

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上記は2018年4月1日時点での情報です。最新の見学情報、所在地、アクセス情報については、各施設の連絡先にご確認ください。