美と堅牢性を兼ねた個人邸
~市民遺産にも選定された近代建築~
非公開ですが、外観を公道から見ることができます。
概要
徳島市の三河家住宅は産婦人科医の三河義行氏が1928(昭和3)年ごろに建てた洋風住宅。徳島県出身の木内豊次郎が設計しました。
鉄筋コンクリート造で、曲面を多用した複雑な外観が特徴的です。内部も大理石の階段や曲面建具など見どころが多い遺産です。
地方における近代建築の展開を物語る指標的作品で、国の重要文化財に指定されています。
見どころ
展望台となっている塔屋や、2階に設けられた形平面のテラスなど外観だけでも見応えがある建築です。
庭園には岩屋風の倉庫や多数の石像など、様々なコンクリート工作物が設置されており、遊び心が感じられます。
歴史を知る
建築主である三河義行は、上分上山村の旧家小崎家の出身で、明治20年生まれ、 昭和44年没する。
当時、商家であった三河家へ養子(三河貞次郎の娘婿)として 迎えられた。
京都大学・九州大学の医科に進み、大学卒業後も九州大学・東京大学 で産婦人科の研究を続け、大正9年に徳島で産婦人科を開業(昭和20年の戦災で 焼失)。
大正11年ベルリン大学へ留学し、大正13年に帰国する。
ベルリン留学時 代の大正12年の関東大震災のニュースにショックを受け、これからの日本の住宅はコンクリート造でなければならないと確信したとされる。
三河家住宅は三河義行がドイツ留学の帰国後に構想し、設計は徳島県立工業学校建築科出身の木内豊次郎(明治23年生まれ)が行った。木内豊次郎は大正11年 から5年の間、ドイツライプチヒ大学で土木学を学び、留学時に義行と親交をもち、 昭和2年に帰国、昭和3年頃に三河家住宅を竣工させている。
※徳島市教育委員会の「重要文化財三河家住宅保存活用計画(案)」より抜粋
周辺の情報
情報確認中
所在地
「三河家住宅」徳島県徳島市富田浜4丁目
アクセス
<電車・徒歩>
JR阿波富田駅より徒歩約5分
お問い合わせ先
徳島市教育委員会 社会教育課
〒770-8571 徳島県徳島市幸町2丁目5番地(本館11階)
TEL:088-621-5417・5419・5566
FAX:088-624-2577